科学的な適職
を読んだ。
どうやら作者は相当な数の論文を読み込んでいるようで、
この本でも101(!) の参考文献にもとづいて色々書かれている。
(表紙には4021って書いてあるけど、参考文献として引用しているのが101本)
冒頭、「職業選択にありがちな7つの大罪」が理由つきでいきなり載っている。
- 好きを仕事にする
- 給料の多さで選ぶ
- 業界や職種で選ぶ
- 仕事の楽さで選ぶ
- 性格テストで選ぶ
- 直感で選ぶ
- 適正にあった仕事を求める
…じゃあどうすりゃええねん!ってのを
追いかけていく本。
表紙にデカデカとメンタリストDaiGoがいたり
商品ページにオリラジ中田がいるせいでうさんくささMAXだけど
読み物として面白いと思ったのでメモ。
概要
この本では適職の定義として「あなたの幸福が最大化される仕事」としている
そのためには2つの達成が必要
- 意思決定の精度を上げて正しい仕事を選ぶ
- 正しい仕事を通して人生の幸福度を上げる
上記を踏まえて、実現するための5ステップを章立てて記載
- 幻想から覚める
- 未来を広げる
- 悪を取り除く
- 歪みに築く
- やりがいを再構築する
注意すべき前提
人間の脳は職業選択向いていない説
- そもそも適応できていない
- 人類が職業選択するようになったのはつい近年のため
- 人間の脳には適職選びを間違った方向に導くバグが存在する
- 難しい決断を避けようとする「利用可能性ヒューリスティクス」のため、きちんと検討せず楽に決めようとする
- 様々なバイアスの存在により、事実誤認する(しかも自分はバイアスの影響を受けないと思いこんでいる)
- そもそも適応できていない
情熱は後からついてくる
- 「なんとなくやってたら楽しくなってきた(グロウスパッション)」パターン
- 「情熱は何かをてやってるうちに生まれてくるもの」という考えで行動すると心が折れない
- 逆に「既に情熱を持ってそれをやっている」と思うと心が折れる
- やってみて少しつまらない、気に食わない場合に、「自分には合わない」と感じるため
- 「なんとなくやってたら楽しくなってきた(グロウスパッション)」パターン
賃金よりも幸福度に寄与する要素は多い(賃金もあるに越したことはない)
- 仕事に対する裁量権(地位)
- 健康
- 週40時間を超える労働時間で不調が現れ始める
- パートナー(結婚)や友人の存在
- 通勤時間
適度なストレスは満足度を高める
- 楽すぎる仕事も過酷すぎる仕事も死亡率を高める
直感で考える人は自己正当化につながる(失敗しても直視できない)
性格診断は信頼度が低い
- やるたびに結果が変わる
- 例外的に「制御焦点」に関しては信頼度が高い
「適正」は判別が難しい
- 経験で「適正」は判断できない
- 職場に同じ強みを持つ人が少ない場合、満足度が高まる →「適正」の重みは相対的に決まる
幸福度を高める7要素
- 自由:その仕事に裁量権があるか
- 仕事の進め方、作業ペース、仕事場所、勤務時間
- 達成:前に進んでいる感覚は得られるか
- 人間のモチベーションがもっとも高まるのは、少しでも仕事が前に進んでいる時
- 小さいサブゴールでも大きく効果がある
- 結果的な作業量は同じでも、前進の錯覚が得られた場合でも効果がある
- 下記2点が重要
- 仕事のフィードバックはどのように得られるか
- 仕事の成果とフィードバックが切り離されていないか
- 人間のモチベーションがもっとも高まるのは、少しでも仕事が前に進んでいる時
- 焦点:自分のモチベーションタイプに合っているか
- 明確:なすべきことや評価軸ははっきりしているか
- 上からの支持が一貫しないと身体が壊れる
- 人事評価が明確になる仕組みはあるか(貢献と失敗)
- 多様:作業の内容にバリエーションがあるか
- 日常の仕事でどれぐらいの変化を感じられるか?
- 仲間:組織内に助けてくれる友人はいるか
- 職場に友人がいると満足度が一気に上る
- 貢献:どれだけ世の中の役に立つか
幸福度を下げる8要素
- ワークライフバランスの崩壊
- 雇用が不安定
- 長時間労働
- シフトワーク
- 仕事のコントロール権がない
- ソーシャルサポートがない
- 組織内に不公平が多い
- 長時間通勤
その他
- 下記「科学的な適職」に関連する情報(とツールへのURL)が載っているが、量が多いので省略
- バイアスををできるだけ軽減するためのテクニック
- 10/10/10テスト、プレモータ無、イリイスト転職ノート、友人に頼る
- 仕事の満足度を判断する方法
- ジョブ・クラフティング、仕事満足度尺度
- バイアスををできるだけ軽減するためのテクニック